2005年頃からインフルエンザに感染した子供が、自宅のマンションやアパート、学校の校舎から転落する事故が頻繁に起こるようになりました。
ニュースでも大きく報道されましたので、記憶に残っているという他も多いのでは無いでしょうか?
そして、転落事故を起こした方のほとんどが、10代や10歳未満の子供たちだっために、インフルエンザに感染した子供とその異常行動との関係が、その頃から大きく注目されるようになりました。
また、その子供たちが飲んでいた薬(タミフル)だっため、もしかしてそれが原因だったのでは?というニュースも流れたんですね(この真偽については後述します)。
それらの内容について、お子さんの命を守るために、親御さんには必ず知っておいてもらいたいものです。
そこで、こちらのページでは、インフルエンザに感染した子供が起こす異常行動や、薬との関係性について詳しく解説します。
インフルエンザ時にどんな異常行動が起こるの?
これまでにインフルエンザ時に感染した際に、確認されている異常行動は次のようなものがあります。
■インフルエンザ時に確認されている異常行動
- 大声をあげる
- 幻覚が見える
- 突然泣き出す
- 理由もないのに怖がる
- 暴力をふるう
- うろつく
- 走り出す
そして、上記の行動の中でも特に危険なのが、突然走り出す行為です。
マンションにお住いの方の場合は、そのまま窓から落ちて、転落事故につながる可能性もあるので、特に警戒をしなくてはいけません。
ちなみに、過去に行われた調査によると、突然走り出す異常行動をとった症例の割合は0.9%でした※。
※ 0.9%は走り出す異常行動を出現率になります。異常行動全体で言えば、18歳以下がインフルエンザに感染した場合、13%もの確率で現れます。
つまり、100人に1人がそのような行動を起こしてしまったことになります。これは決して低い数値とは言えないですよね?
ですから、お子さんがインフルエンザに感染した際にはくれぐれも目を離さないようにしましょう。
・子供から目を離さない
・窓・玄関の戸締りをしっかりとする(転落事故防止)
※ 次の記事で紹介したように、学校保険安全法施行規則でも学校や幼稚園を休むべき日数が定められています。
タミフルと異常行動は関係があるの?
インフルエンザ時の異常行動で転落死したある子供が、タミフル(有効成分:オセルタミビル)を飲んでいたことから、その薬のせいで異常行動を起こしたのでは?というニュースが、当時はたくさん報道されました。
そのため、タミフルは危険な薬である理解している方も多いのではないでしょうか?
しかし、タミフルとインフルエンザ時の異常行動の関連性については、今だに何も分かっていません。
それに、先ほどお伝えしたように、異常行動の原因は発熱のせいであるという見方が強いため、タミフルに原因が無いと考える専門家は多いです。
ですから、タミフル=子供にとっては害悪という考え方は正しいとは言えないんですね。
実際にタミフルを飲む前から、異常行動が発生していたという事例は何例も報告されていますので。
それに、タミフル以外の治療薬であるリレンザ(有効成分:ザナミビル)やラピアクタ(有効成分:ペラミビル)を飲んだときにも、異常行動が起こった事例はありました。
そのため、異常行動の原因はタミフルやリレンザなどの薬が原因ではなく、インフルエンザそのものにあると考えるのが自然でしょう。
その証拠に、一度は子供への処方が中断されたタミフルも、現在は普通に処方されるようになっています。ただし、お薬の用量・用法についてはお医者さんの指示をきちんと守るようにしてください。
異常が行動が起こりやすいのは発熱初期
お子さんがインフルエンザに感染したときに、異常行動を起こさないように、そばにいて看病をする親御さんは多いはずです。
そして、その際に特に注意してもらいたいのが、発熱の症状が出てから6時間が経過するまでの時間帯です。
その時間は特に異常行動を起こす確率が高くなっていますので、くれぐれもお子さんから目を離さないようにしましょう。
ただし、それ以降も異常行動を起こす確率はゼロではありませんので、窓や玄関から飛び出したりしないように、戸締りだけはしっかりとしておいてください。
本記事のまとめ
18歳未満の子供はインフルエンザ時に大声で叫ぶ、走るなどの異常行動を起こしやすいです。
そのため、お子さんがインフルエンザに感染した際には、できるだけ目を離さないようにして、転落事故防止のために戸締りはきちんとしておきましょう。
また、異常行動とタミフルの因果関係については、現在のところは確認されていません。
タミフルのようなノイラミダーゼ阻害薬は、インフルエンザに効果があることが確認されていますので、お医者さんから処方された場合は、その言いつけを守り服用することが大切です。
この記事へのコメントはありません。