インフルエンザに感染した場合の初期症状としては、38℃近い(もしくはそれ以上の)高熱や、体全体がダルくなる、全身の関節痛が挙げられます※。
※ インフルエンザ感染時の初期症状については、次の記事で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。。
そのため、感染しているかどうかを判断するためには、病院へ行って検査を受ける必要があります。
ただ、検査という言葉に抵抗感があって、どんなことをされるのか不安に感じている方もいるのではないでしょうか?
また、検査自体の信頼性・信憑性はどうなのか心配という方もいるかと思います。
しかし、インフルエンザの重症化を防ぐためには、早期治療が重要ですので、検査が怖い・不安という理由で病院へ行かないなんて本末転倒です。
それに、最近のインフルエンザ検査は簡易キットですぐにできますので、不安を感じるようなものではありません。
そこで、以下ではインフルエンザの検査の方法やその信頼性について、詳しくご紹介します。
併せて、検査キットを活用することで、新種ウィルスであっても感染をチェックできるかを解説しますので、検査を受けるのが不安な方は、本記事の内容をご覧になってみてください。
インフルエンザの検査方法
病院での外来診察で行われる検査では、たいていの場合は簡易キット(または迅速診断キットとも呼ぶ)を使用するのが一般的です。
では、この検査キットがどのような原理で、インフルエンザウィルスを判断できるのかを紹介します。
インフルエンザウィルスは粘膜上で増殖していきますので、まずはその部分の細胞を検体を採取しなくてはいけません。具体的には鼻の奥や、のどの奥です。
よくやる方法としては、鼻の奥の方に綿棒を突っ込んで喉の奥から取ってくるか、口からの喉の奥を綿棒でぬぐやり方です。
どちらも検体を採取する時間は一瞬なので、痛みを感じることはほとんどありません。ですので、検査での痛みに関しては特に心配する必要は無いでしょう。
なお、検体を採取したらそれを検査キットに注入します。もし、インフルエンザウィルスがいた場合には、キット内にある抗体がウィルス内の抗原に反応して、抗原抗体反応が起こる仕組みです。
このとき、キット上ではすぐに直線状のラインが表示されますので、それが出たらインフルエンザに感染しているということが、その場で肉眼でチェックできるわけです。
以上が外来診察で用いられる、検査キットに仕組みになります。
検査キットの信頼性はどの程度?
では、その検査キットにどの程度の信頼性があるかについてですが、現在クリニックで使用されているものは、簡易キットとはいえ、その制度はとても高いものなっています。
具体的にはその数値は95%以上です。つまり、陽生反応が出た場合にほぼ間違いなくインフルエンザに感染していると言えます。
ただし、注意をしなくてはいけないのが、インフルエンザを発症してからまだそれほど時間が経過していない場合です。
というのは、潜伏期間や発症1日目というのは、ウィルスがまだあまり増殖していないため、検査しても陰性反応が出てしまう場合が多いんですね。
ちなみに、発熱から6時間以内の場合は、信頼性は70%くらいまで落ちます。
ですので、もし検査で陰性が出たとしても、帰宅してから熱が出た場合にはインフルエンザの可能性があります。そのようなケースでは、もう一度最寄の病院で相談をするようにしてください。
簡易キットの検査の精度は95%以上ととても高く、十分に信頼できる精度と言えます。
新型ウィルスの感染も簡易キットで判定できる?
新型ウィルスの場合、既存の検査キットで検出ができるかどうかについてですが、これはその新型ウィルスがどのようなものかによります。
もし、検査キットの抗体に反応するものであれば検出はできますが、そうでない抗原を持つウィルスであれば、残念ながら検出することはできません。
ただし、インフルエンザ簡易検査キットによる検査結果は、あくまで診断を補助するための手段ものです。
最終的なインフルエンザ診断は主治医が総合的に判断して行うことになっていますので、症状が重いのであれば、それををきちんと医師に伝えて、診断をあおぐようにしてくださいね。
本記事のまとめ
インフルエンザの簡易検査キットの精度も最近では向上しており、その精度は95%以上とも言われています。また、迅速キットと呼ばれるくらい、結果もすぐに分かります。
それ、検査自体が痛い・苦しいなんてことはありませんので、検査が怖くて通院するのはやめておこうなんて、絶対に考えないようにしましょう。
インフルエンザに感染していることが早期段階で分かれば、飲み薬のオセルタミビル(商品名タミフル)や、吸入薬のザナミビル(商品名リレンザ)なども処方してもらえますからね。
なお、タミフルを飲むと異常行動を起こすのが心配と考えている方がいますが、それは誤った見解と言えます。
次の記事で紹介したように、異常行動の原因はインフルエンザそのものにある可能性が高いという見方が、今では一般的ですからね。
ですので、医師からお薬を処方されたのであれば、用量・用法を守ってきちんと服用するようにしてください。
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